スピーカー探しの旅 〜プロローグ〜
2015年にオーディオという趣味をはじめて、今年で7年目となりました。
これまでのオーディオシステム
これまでのオーディオシステム変遷について振り返ってみると、以下のような感じになります。現行のシステムはOctave V40SEを中心とし、最近はデジタルファイル再生を重視したシステムとなっています。またアクセサリー周辺を充実させ、音質向上に努めてきました。
導入年月 | 種別 | 機材名 |
---|---|---|
2015/3 | AMPLIFIER | DENON PMA-1500RE |
SACD/CD PLAYER | DENON DCD-1500RE | |
SPEAKER | DALI IKON2 MK2 | |
2016/4 | ANALOG | DENON DP-500M |
2017/4 | AMPLIFIER | Octave V40SE |
2017/7 | SPEAKER STAND | SOUND ANCHORS SDA6.5DALI |
SPIKE RECEIVER | 山本音響工芸 PB-23 | |
2017/10 | PHONO EQUALIZER | Phasetec EA-3 |
2017/12 | POWER CABLE | Shunyata Research Anaconda VX-α |
2018/3 | SPEAKER CABLES | Analysis Plus Big Silver Oval |
2019/3 | AUDIO RACK | Quadraspire Q4D Vent |
2019/9 | RCA CABLES | The CHORD Company Shawline |
2021/9 | D/A CONVERTER | iFi Audio ZEN Dac v2 |
PC TRANSPORT | Intel NUC + ROON Optimized Core Kit |
自身のシステムについては試行錯誤の結果、かなり満足のいくレベルまで到達することができましたが、やはりブックシェルフスピーカーに存在する再生限界があるせいか、スケール感のある曲の再生や広い音場表現、満足のいく低域再生に課題があるということが分かってきました。この課題に取り組むためには、新しいトールボーイ型スピーカーの導入が必要となり、スピーカー探しの旅に出ることになりました。
スピーカーの要求仕様
さて、スピーカー探しをはじめるにあたって、私が新しいスピーカーに何を望むのか整理してみました。
低域再生の拡充
現行のブックシェルフスピーカーの再生帯域は41Hz~30kHzですので、低域再生には制約があります。特にオーケストラの再生にあたっては、右側に位置するチェロやコントラバスの音の再現に問題があるようで、全体的な再生のパワーバランスが左寄りになってしまいます。またピアノの低音の沈み込みについても、満足のいく再生というのはできていないです。グランドピアノのグランド感という感じでしょうか。新しいスピーカーは低域をしっかり再現できるウーファーが搭載されていて、41Hz以下の再生に対応できることが必要です。
空間再現性
今のスピーカーではエンクロージャーの容積に限りがありますので、スケール感のある再生は苦手です。奥行き感や天井方向の高さ、立体感など音場をリアルに再現できたらと思っています。傾向としてはルーメンホワイトやAvalonみたいな音場表現です。新しいスピーカーではエンクロージャー容積を十分に確保できて、空間をうまく再現できることが必要です。
中高域の充実
DALIのスピーカーはリボンツイーターを搭載しているので、中高域の表現が優れています。女性ボーカルや弦楽器、シンバルの音がリアルに再現できます。この点は現行のシステムが得意としているところでしょう。ですが、この中高域の表現は、まだ突き詰めてゆくことができそうです。艶っぽさというか生々しさというか、人の声や楽器がこんなにも美しいものだったのかと思わせてくれるものが理想です。Franco SerblinやSonus Faberなどの美音系スピーカーが得意とする領域でしょうか。このあたりはスピーカーデザイナーの腕の見せ所で、楽器に近い表現だと思っています。
正確な再生
楽器数の多い複雑な音源に対しても、聴き分けや定位がわかることが重要です。またコンサートホールやライブ会場の空気感をうまく表現してほしいです。リスニングポイントに到着する時点で位相やレベルがあっていることや、録音された情報を適度に、正確に再生できることが重要です。
セッティング容易性
人間は自身の体重以上の重たい物を扱うことは難しいと言われています。スピーカーをセッティングするにあたってもスピーカー自体の重量は大切です。具体的には重さ70kg以下となるスピーカーが良いですね。床面への負荷もかかりますし、100kgを超えるような金属製スピーカーはちょっと問題です。
低出力アンプでの再生
我が家で使用しているOctave V40SEは、4Ωで40Wの出力が可能な真空管アンプです。真空管アンプの中では比較的駆動力がありますが、それでも一抹の不安はあります(オプションのブラックボックスを追加すればよいのですが)。新しいスピーカーはあまり駆動力を必要としないことが重要です。スピーカーのインピーダンスカーブにおいては、極端にインピーダンス値が低くなる領域が少ないことがポイントでしょうか。
既存機材の流用
できる限り、現在使用しているスピーカーケーブルや機材が流用できることが重要です。スピーカーターミナルが特殊であったり、機器との相性が悪くて苦労するということは避けたいです。
デザイン
オーディオルームのインテリアにぴったりのスピーカーが欲しいです。オーディオルームはモノトーン配色のモダンデザインを目指していますので、スピーカーについても黒系のカラーリングがいいなと思っています。
突出した特長
他のスピーカーでは真似できない、これだ!といった特長を望んでいます。クセがありすぎるのも問題ですが、スピーカーの特長はスピーカーデザイナーの好みが色濃く反映されるので、存分に個性を主張してほしいところです。YG AcousticsやMagicoのように正確性を追求するのもありでしょう。またFranco SerblinやTannoyのようにスピーカーを楽器ととらえて美しい音を目指す人もいるでしょう。私好みの唯一無二の個性を持ち合わせたスピーカーを望んでいます。
こんな感じで要求仕様をまとめてみましたが、私にぴったりのスピーカーは見つかるでしょうか。これから気になるスピーカーを各地のショップで試聴します。最終的には、決断を迫られることになるでしょう。すべてを満足させることは難しいので、何を捨てて何を取るのか決めなくてはなりません。これは私が好きな音とは何なのかという長年の問いに答えることでもあります。納得のゆくスピーカー選びができることを望んでいます。